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10月10日 レー
その日はレーに来てから一番体調が良かった。
というか、おととい無理をして、昨日は一日中寝込んでいたので、もう既にレーに4日間拘束されていることになる。
高山病と言うのはかなりやっかいな病気で、頭痛、倦怠感に加えて、酸素不足による消化器官の機能低下などにより食当たりの時と同じ症状が起こる。
さらにこの時期のラダックの気温は信じられないくらい低く(日本の真冬並み)、さらになぜか暖房がどの宿にもないので、部屋にいるなら布団にくるまって寝ているしかないという状況だった。
デリーを発つ日にタクシーを相乗りしたスペイン人からの「この時期のラダックはオフシーズンで交通の便も悪いし寒いし多分どこにも行けないよ。」という忠告をその時は軽く流していたが、
全くその通りで、なによりせっかく秘境ラダックへ来たのに本当にどこへも行けなさそうで、僕は焦り始めていた。
というのも体調は良くなったが、いろいろ旅行会社を回って教えてもらったこれから何日間かかけて僕が観光地を回るための手段と言うのがなかなか成功確率の低そうな方法だったからである。
前提として、宿を一歩出ればそこは真冬。という設定で読んで欲しい。
僕はアルチゴンパというチベット寺院とヌブラ谷という峡谷、そしてパンゴンレイクという湖に行く予定だったが、
まずアルチゴンパへの行き方
夕方のローカルバスでアルチゴンパのある村へ行き、一泊してレーに戻る。
(ローカルバスと言うのがまあちょっと難しそう)
パンゴンレイク
朝5時のパンゴンレイク行きのバスに乗り、バスの運転手の家にホームステイをして、翌朝バスでレーに戻る。(バスの運転手の家にホームステイとか聞いたことがないので。あと朝が早い)
ヌブラ谷
朝5時にヌブラ谷行きの車が良く通る山道にてヒッチハイクをし、一泊して、ヒッチハイクでレーに戻る。(朝5時。山道。そしてヒッチハイク。)
すべて大体1000円くらい。
なぜこんなサバイバルのような観光方法しかないかというと、今がオフシーズンだからである。
観光地行きのバスの本数は驚くほど少なく(もしくはなく)、行くならばジープを7000円くらいで貸し切っていくか、上記のような方法しか残っていなかったのである。
この時期のラダックが不便だとは知っていたが、まさかここまでだとは予想していなかった。
とはいえ、今日はラダックに来て初めてレーを出る日。焦りとともに、ようやく観光ができるという安心と、波に乗るためにもこのアルチゴンパ観光を何としても成功させなければという緊張が入り混じった不思議な気分で午前中を過ごした。
夕方になってバスの時間に合わせてバスターミナルへと向かう。
絶対に乗り遅れないようにしようと4時出発と聞いていたが3時半にバスターミナルに着いた。
が、ターミナルで待っていても一向にバスが来ない。
4時を過ぎて、さすがにおかしいと思い周りの人に聞いてみると、アルチゴンパ行きのバスはもう行ってしまって次はまた明日の夕方だという。
彼らが言うには、オフシーズンのせいでバスの出発時刻が正確ではなくなっているらしい。
またしてもオフシーズンと言う理由で。
今日もまたレーのホテルで拘束され布団にくるまり、焦りを感じながら朝を待たなければいけないということが信じられず、ターミナルに泊っていたバス全てに聞き込みをし、ターミナルから出て、ヒッチハイクもしてみたがこの日アルチゴンパに行く方法はもう本当にないようだった。
バスを逃してから宿まで帰る間、いや帰ってからもずっと、この旅で初めて感じるなんとも言えない絶望感に包まれていた。
このまま本当にどこにも行けずに無駄にラダックの日々を過ごしてしまうのではないか、いや、そもそもオフシーズンにラダックに来たこと自体が間違いだったのではないか。
これまで、多少のミスはあれど、行きたいところには全て行ってきたし、値段が高ければ工夫して安く観光もしてきた。ここまで上手くいかないのはこの旅で初めてだった。
それがショックで、とてもネガティブな気分になっていた。
結局次の日、朝一でヌブラ谷へ向かうことにした。
例のヒッチハイクでしか行けない最難関だったが、ネガティブになりすぎて、もし明日ヌブラにいけなかったらもうラダックを降りよう、そう決心していた。
追い打ちをかけるようにその日はめちゃくちゃ寒くて布団にくるまっていたら18時には眠りについていた。
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