2012年11月7日水曜日

ピラミッド訪問


朝のカイロ。この道は(エジプトにしては)朝早くからナイル川沿いのビジネス街へ向かう車が多い。

10月30日 カイロ ギザ

朝9時に宿を出て、今日の目的地があるギザという街へ向かうらしいバスに乗り込む。しかし事前に調べていた番号のバスではなかった。
バスに乗り込みながら「ゴートゥーギザ?」と尋ねるとほぼ乗客全員が「ギザーギザ―!」と笑いながら答えてくれる。エジプトのバス移動で僕のお気に入りの瞬間だ。

ギザは大きな街らしく、目的地へ行くためには乗り換えをしなければならないということをバスの中で知った。しばらく走ってよく分からない場所で降ろされたと思ったら、そこにマイクロバスが止まっていて、また例のお気に入りの行事を行って行き先を確認する。

ようやく最寄りのバス停に到着。バス停じゃなく、ただスピードを緩めると決まっている場所、と訂正したい。他の乗客と同じようにタイミングを見計らってバスから降りる。
顔を上げると、あの三角形が目に入った。教科書や漫画、テレビなどで半ば見飽きた三角形が。

ピラミッドは本当にあった。


バス停(?)からピラミッドまではしばらく歩く。
結構な距離を歩いたが、だんだんと大きくなっていくピラミッドをずっと見ながら歩いていたのであまり疲れは感じなかった。

ピラミッドの前は緑豊かな土地でだった。そして大きな丘の上にクフ王の大ピラミッドがそびえる。
途中、チケット売り場はそっちじゃないこっちへ来い、という声を何度か無視し、本物のチケット売り場へたどり着く。
ピラミッドの周りにいる男たちはなかなかやっかいだという話は宿であった人から聞いていたので、徹底的に無視した。
チケットを買って中に入った後も、係りの者と見せかけてチケットチェック→問題があるといって別途料金を要求や、そっちは1人で行ってはいけない場所だから俺が一緒に行ってやると同行→チップを要求など、悪質な手口が待っているので基本は無視である。たまに手を掴んで無理やり連れて行かれそうになるので、その時は大声でどなってそのまま歩く。
サングラスは目が合わなくなるし、多少見た目も怖くなるので、おすすめである。

下知識のおかげでほぼトラブルなしにピラミッド群の中に入場し、ついにピラミッドが目の前に現れた。


クフ王の大ピラミッド。ばかでかい。

ピラミッドを前にして自分はどういう反応をするのか、というのはとても楽しみにしていたのだけど、でかっ、え?でかっ、とひたすらつぶやくというなんとも平凡な反応にだった。

ただ、あのピラミッドが今、目の前にある。本当に遠いところまで来たんだなあ。となんとも言えない満たされた気持ちになったのは覚えている。

ピラミッドからはギザとカイロの街並みが見渡せる。今目の前にあるピラミッドは、この地で起こる文明や戦争、変わりゆく街並みを5000年間ずっと見てきたと思うと、やっぱり感慨深い。

ここは3大ピラミッド群と呼ばれ、歴代王朝の中で最も大きなクフ王のピラミッド、スフィンクス付きのカフラーのピラミッド、一番小さなメンカウラーのピラミッド、の3つからなる。

スフィンクス。後ろにあるのがカフラーピラミッド、左奥がメンカウラ―。

このピラミッド群からしばらく歩いたところに3つのピラミッドが全て見渡せるパノラマスポットがあると聞いてそこを目指すことにした。
客引きのエジプト人がそこまでは9キロあると言ってたが、大体2キロくらいだった。

ただ僕の崩壊寸前のボロ靴で砂の道を2キロ歩くのは意外ときつく、何度かラクダに乗ろうかと思ったが、色んな人がボられるからやめた方がいいと言っていたので頑張って歩いた。

途中で仲良くなったカイロの大学の学生。マレーシアから留学しているらしい。
 
歩くこと20~30分、パノラマ地点にたどり着いた。そこからの景色がこれ。



まあちょっと離れすぎた感はあるけど見晴らしは良かった。

この景色も良かったけど、僕が感動したのはむしろこの景色の後ろに広がるこっちの景色。



 果てしなく続く砂漠風景。
ここから5600km、世界最大の砂漠、サハラ砂漠が延々と続いている。

同じ宿で、昔まだアルカイダなどのテロ組織がマリやニジェールに拠点を置く前にそこを訪れたという旅人に出会った。
彼の話ではサハラ砂漠のベドウィン、特にマリやニジェールあたりに暮らす人々は砂漠では口や鼻から悪魔が入ると信じていて、目以外は黒い布で覆い隠しているらしい。
また彼らは、砂漠を移動中に道に迷ったり、寝ている間にラクダに逃げられたりすると命はないという危険と隣り合わせの生活を送る。
そして部族闘争は大昔から絶えることなく続いている。
さらに今ではテロリストたちの温床。

日本と同じ世界の話とは到底思えないような、そんな世界がこの砂漠の果てにあるのかと思いながら、この風景を長い間ながめていた。



ピラミッドに満足しきり、カイロ市内に戻る。
帰りはバスではなく、メトロというエジプトの中心地を走る地下鉄に乗ってみた。

初めての国でこういう公共の場所を撮る時は気を使ってしまう。隣にいた青年に撮っても大丈夫か確認してみたら、大丈夫。ていうかお前も入れて撮ってやる。と言ってくれたが恥ずかしかったのでやめた。

カイロに戻って遅めの昼食を食べた。

実はこの後、僕のミスで大金を失ってしまうのだけど、長くなるので省略する。
まあ学ぶことも多かったので、今は経験代だと思うことにしている。

明日はカイロでアートに触れる日。

 

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